ゆきぐにぐらし!

人生のほとんどを雪国で過ごしているので、三十も後半になってくると毎年のことなので冬を迎えるたびに雪で騒ぐのがアホらしくもなってきたりする。

そりゃ雪は少ないに越したことはないが、この土地に住み着いている限りは望もうが望まなかろうが雪は降るし降った雪は積もるわけで。

変な話、家の前に積もった雪を目の敵のようにきれいに除雪するのは手間というコストの無駄だとすらとらえていたりする。
そりゃ近所の目とか見栄みたいなものがあってやってる人も少なくはないのだろうけれども、半ば自己満足みたいなものなんだろうなとしか思えない。

まぁそんなことを言いながらも、あんまり雪を放置しすぎるのはそのうち近所の迷惑になったりとかもするっていうのもわからなくもないけれど、いずれにしても春になれば溶けてなくなるものに対して支払うコストの調整はしたほうがいいと、思うんだよなぁ。

除雪に限った話ではないけれど、田舎というのは町全体の規模が小さく、住人同士のかかわりも濃くなりがちなので世間体というのは「他人の目」というほど遠くて薄いものではない…というのもわかりはするけれども、そもそもそういう環境で他人に興味を向けるくらいしか楽しみがないという過ごし方こそが根本的な問題であり、それが無駄な労力を発生させているようなものだと思わなくもなく。

田舎だと町の半分が血縁者ということも珍しくもなかったりして、そうすると葬式の都度香典香典返し香典返し返し香典返し返し返しというような香典連鎖反応で発電できそうなくらいのやり取りが発生するという話も聞いたりする。
ようするに受けた恩に対してのお返しを止めた場合において負い目になるっていう強迫的なものが広くうっすらと存在するのが田舎の人間関係の濃さというか。

こういった場合、お互い様だと割り切って町内会等の自治会レベルで香典の上限というか額を一律で決めて、香典返し返し制度を実質的に無効化して負担を減らそうとする場合もある。
結局、その見栄や負い目などをひっくるめた狭い世間体というものはすべてお互いの首を絞めるに収束しているケースがほとんどじゃないだろうか。

だから田舎に若いのが来ないんだよw

来ても都会に帰っちゃったりとかね。

まぁほんと無駄だよなぁと思うわけですよ。

と、別にこういう話をしたかったわけじゃないけども。
話をもとに戻すと、この辺は冬の降雪期といっても、実質的には1月の半ばから2月が本番で3月から4月上旬にかけてまでダラダラと降ったり降らなかったりという感じなので、雪の問題なんてほんの1か月くらいだったりする。
時期の最中には朝晩くらいのもあって冬の閉塞感に気分が落ち込みそうになったりもするけれども、終わってみればなんのことなく、毎年同じように春がやってくる。

そう、わざわざ騒ぎ立てる必要はなく、毎年のように特に気負わず普通の力で普通に生活していればいいだけの話なのである。
そんなに雪に対して文句があるならば引っ越せばいいじゃん…と若者な自分(?)は思ったりもするけれども、そういう話ではないよねおそらく。

ただまぁ、雪国で雪こそ多いものの、南に行けば台風だ洪水だと災害に事欠かないので案外青森県の南側とか岩手県の南側あたりに住み着いているのが暮らしやすいように感じたりする。

雪の重みで老朽化した家屋がつぶれたり、交通事故が発生しやすい路面状況には毎年さらされはするけれども、水害で家財道具一式が押し流されたりするような可能性と比べるとずいぶんリスク分散できているような気がしないでもない。

少なくとも自分一人が凍結路で事故っていても家財道具一式まではオシャカにはならない。

そうして考えてみると雪国だって案外悪くないと思ったりもする。
まぁ光熱費かかるけども。

結局手元にあるもののありがたさには気づかず、無い物ばかりを数えてしまうのが人間の性質みたいなものなんだよなぁというところに着地してみたり。